電気工事施工管理技士になるためには?1級と2級の違いや、必要なスキル・資格についても徹底解説

近年、注目を集める再生可能エネルギー業界ですが、プラント建設などのプロジェクトの増加に伴い、施工管理技士と呼ばれる建設現場における施工や設備の管理・運用保守を行うことのできる人材の需要が高まっています。特に最近では、電気工事大手の関電工が、洋上風力発電所の大規模な電気工事に参入することを発表しており、その受注金額の大きさが注目を集めています。今後同様に再生可能エネルギー関連の大規模な電気工事案件が生まれることも予想され、人材採用も積極化することが予測されています。
今回の記事では現在需要の高まる施工管理技士の一つである電気工事施工管理技士について、仕事内容や、1級電気工事施工管理技士と2級電気工事施工管理技士の違い、資格についての詳細と、電気工事施工管理技士の転職先など、詳しく解説します。
[目次]
- 電気工事施工管理技士とは?具体的な仕事内容
- 電気工事施工管理技士の平均年収
- 電気工事施工管理技士技術検定とは?
- 電気工事施工管理技士に必要なその他のスキル
- 電気工事士施工管理技士の転職先
- 電気工事士施工管理技士の将来性
施工管理関連の職種については、以下の記事で詳しく解説しています。

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電気工事施工管理技士とは?具体的な仕事内容
電気工事施工管理技士とは、電気工事の四大管理と呼ばれる「工程管理・品質管理・安全管理・原価管理」を行う上級技術者のことです。電気工事施工管理技士として働くためには、電気工事施工管理技士の資格を取得する必要があります(電気工事施工管理技士の検定試験の詳細については、記事後半で詳しく解説しています)。
電気工事施工管理技士の具体的な仕事内容としては、以下が挙げられます。
- 発注者や工事担当者との打ち合わせ・調整
- 行政手続きや工事前の申請業務
- 下請け業者の選定、発注、監理
- 周辺環境の調査、工事の見積もり選定
- 工事工程の作成と管理、電気施工図の作成
- 工事資材の発注・管理
この他にも、工事現場の環境整備や、作業前後の準備なども、電気工事施工管理技士が担います。
1級電気工事施工管理技士と2級電気工事施工管理技士の違いとは?
電気工事施工管理技士検定試験は、1級と2級で分かれており、取得した資格によって1級電気工事施工管理技士もしくは2級電気工事施工管理技士として働くことが可能となります。
1級電気工事施工管理技士と2級電気工事施工管理技士の仕事内容に大きな差はありませんが、監理できる現場の規模に差があります。
- 1級電気工事施工管理技士・・・「特定建設業」の営業所ごとに配置が義務付けられている電気工事施工管理技士で、専任技術者・主任技術者・監理技術者として業務に携わる
- 2級電気工事施工管理技士・・・「一般建築業」の事業所に配置が義務付けられている電気工事施工管理技士で、専任技術者・主任技術者として業務に携わる
特定建設業である公共工事やJV(共同企業体)などの受注額が大きな現場に携わりたいという場合には、1級電気工事施工管理の資格を取得することが必須となります。
電気工事施工管理技士の平均年収
電気工事施工管理技士の平均年収は500万円~700万円とされており、多くの企業では、電気工事施工管理技士の資格を取得することで月1万円から1万5千円程度の手当を受けることができます。世代ごとに見てみると20代後半では約460万円である一方、50代前半では約831万円となっており、経験を積みスキルアップし続けることで大幅な収入アップが期待できる職種であると言えます。
下の給与調査では、施工管理やその他の建築業界や再生可能エネルギー業界における平均給与をご覧いただけます。ダウンロードは無料ですので、是非ご活用ください。

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電気工事施工管理技士技術検定とは?
一般財団法人建設業振興基金が実施している電気工事施工技術検定は、電気工学、施工管理法法規の科目から出題され、合格することで工事現場における施工管理上の技術責任者として従事することが認められます。
受験資格に関しては、1級と2級で以下のような違いがあります。
受験資格
- 1級電気工事施工管理技士・・・大学・専門学校卒業後3年以上の実務経験
- 2級電気工事施工管理技士・・・実務経験年数は問わず
詳しくは、施工管理技術検定の公式ホームページをご覧ください。
電気工事施工管理技士技術検定の難易はやや難しいとされていますが、同じ電気工事関連の国家資格である第一種電気工事士より取得しやすい資格となっています(第一種電気工事士と電気工事施工管理技士の違いについてはこちらの記事で解説しています)。
電気工事施工管理技士の資格を取得するメリット
電気工事施工管理技士の資格を取得するメリットとしては、以下が挙げられます。
- 就職や転職で有利になる
- 幅広い電気工事に関する知識やスキルを公的に証明できる
- 監理技術者や主任技術者に転職することで、昇給のチャンスも得られる
電気工事施工管理技士の資格所有者が在籍する企業は、公共工事の発注を受けられる可能性が広がるだけでなく、企業からの信用も高まります。そのため、就職や転職の際には武器としてアピールすることができます。また、電気工事に関する自分の知識や技術が、現職においても評価されやすくなり、仕事上での自信にも繋がるでしょう。所属する営業所の専任技術者、監理技術者、もしくは主任技術者として工事現場の統括監理も可能となり、昇格や昇給など待遇面の向上も期待することができます。
電気工事施工管理技士に必要なその他のスキル
電気工事施工管理技士の業務として必要になるスキルとしては、以下が挙げられます。
- コミュニケーションスキル
- スケジュール管理能力
- マルチタスキングスキル
電気工事施工管理技士として働く際には、クライアントとの打ち合わせや現場の技術者への指示出しを行う機会が多くあります。そのため、説明、交渉、理解の推進などがスムーズに進められる高いコミュニケーション能力が求められます。また、電気工事施工管理技士として工期内に工事を終わらせるため、時には予期せぬトラブルに対処しなければならないこともあります。複数の課題に同時に向き合いながら、スケジュールを管理することができるプロジェクトマネジメント能力や、マルチタスキングの能力も必要となるでしょう。
電気工事士施工管理技士の転職先
電気工事施工管理技士としての一定の経験を積んだ後に違う業界への転職を目指すことも可能です。電気工事施工管理技士から選択されることが多い主な企業・転職先としては、以下が挙げられます。
住宅機器メーカー
電気工事施工管理技士は、電気設備に関する知識が深いため、総合住宅機器メーカーでも活躍することができます。太陽光・太陽熱関連機器や、システムキッチン、電気温水器など、どのような職種においても電気工事施工管理技士の需要は高い水準を保っています。大手の総合住宅機器メーカーに転職することで、大幅な年収アップも期待できます。
国や自治体
国や自治体は電気工事施工管理技士を常に募集しており、公務員としての電気工事施工管理技士は、資格さえあれば比較的中途入社しやすいポジションです。安定した給与やワークライフバランスをお望みの場合、非常におすすめの転職先の一つと言えます。
電気工事施工管理技士の将来性
業界全体の人手不足や高齢化、新技術の導入により、電気工事施工管理技士を含めた施工管理技士の需要は、今後さらに増加することが予想されます。また、再生可能エネルギー業界は今後さらなる成長が期待されると同時に、当業界で働くことでサステナブルな未来の実現に貢献でき、大きなやりがいを感じることができます。電気工事施工管理技士の資格を活かしたキャリアアップをお考えでしたら、以下のフォームより当社のコンサルタントまで是非お気軽にご相談いただくか、こちらのご登録ページより当社サービスへご登録ください。サステナビリティとコネクティビティの実現を掲げ、再生可能エネルギー分野に特化した転職サポートのチームを持つProgressive Recruitmentが皆様のキャリアを加速させるためのお手伝いをいたします。