電気主任技術者とは?電験三種の難易度についても詳しく解説

電気主任技術者

再生可能エネルギー業界の急速な発展と自然電力を利用したプラント(発電所)の建設件数の上昇に伴い、近年、建設関連のスキルや経験を持った人材への需要が高まっています。数ある建設関連職の中でも、電気設備の保安と管理を行う職種である電気主任技術者の需要の高まりには著しいものがあります。電気主任技術者として働くためには電気主任技術者試験(以下、電験)へ合格して資格を取得する必要があり、電験への注目も高まっています。

電験にはそのレベルによって3種類の資格がありますが、第3種電気主任技術者(通称:電験三種)は電気主任技術者へ転職するための登竜門であり、合格率が10%前後と難関資格であることで知られています。今回は電験三種の試験概要とこの資格を取得するメリット、そして学習の際におすすめの講座について詳しく解説します。

 

[目次]

 

電気主任技術者をはじめとした、転職で役立つ電気系の資格については以下の記事でもまとめておりますのでぜひご一読ください。

 

電気工事士、電気主任技術者(電験)、電気工事施工管理技士―資格を活かした転職・キャリアアップとは?

記事を読む

 

 

電気主任技術者とは?具体的な仕事内容について

電気主任技術者の主な業務は、発電所や変電所、工場やビルなどに設置されている電気整備の保安と管理です。電気事業法で定められているように、事業用電気工作物を設置している事業主は工事や保守、運用を行うために電気主任技術者を選任しなければならず、資格を有した電気主任技術者がこれらの独占業務を行います。

 

電気主任技術者の主な仕事内容

  • 電気工事の現場監督・・・電気工事の全体像の把握と指示、工事完了後のチェックなどを行う。
  • 電気整備の保安・点検・・・日常の点検や年次の点検を行う。
  • 電気工事の故障対応・・・電圧や電力の計測、記録、漏電防止のための絶縁体の抵抗の測定、配線のネジの確認、非常用発電機の点検などを行う。
  • 電気設備周辺の清掃作業・・・電気回路のそばに埃があることで起こるショートを防ぐため、電気設備の点検時に周辺の清掃作業を行う。

 

電気主任技術者と電気工事士との違い

電気工事士は電気主任技術者から支持を受ける立場にあります。電気主任技術者が事業用電気工作物の工事や維持、運用の保安監督者であるのに対し、電気工事士は最大500キロワット未満の需要設備や一般的電気工作物の電気工事を行います。

電気主任技術者は、難関国家資格である電気主任技術者試験を取得しなければならず、現場の状況を的確に見極める判断力や高い専門知識を求められる職種です。年収に関しても電気工事士と比べて高水準となっています。

 

電気主任技術者の年収

具体的な電気主任技術者の平均年収とは約400万円~650万円ですが、プロジェクトマネージャー待遇のポジションであれば約600万円~700万円、第1種電気主任技術者試験取得者であれば1000万円近くまで年収アップが可能となります。電気主任技術者試験勉強のための資格手当が出る企業も多く見られます。

ワークライフバランスが取りにくいイメージのある建設業ですが、近年では働き方改革が進んでおり、2024年からは働き方改革の一部「残業の罰則付き上限規制」が本格的に始動することが決まっています。今後もよりワークライフバランスが取りやすくなることが期待でき、どの年代においてもより働きやすい職種であると言えます。

 

電験三種とは?

電験三種とは電気事業法に基づいて一般財団法人電気技術者試験センターが実施している国家資格です。電気主任技術者になるために取得必須の資格であり、取り扱いできる事業用電気工作物の電圧により第1種、第2種、第3種と分類されています。電気技術者の入門編にあたる第3種では、電圧5万ボルト未満の事業用電気工作物の主任技術者として必要な知識について、次の方法・内容により学科試験を行います。

 

【科目と詳細】(一般財団法人電気技術者試験センター公式サイトより抜粋)

・理論-電気理論、電子理論、電気計測及び電子計測
・電力-発電所、蓄電所及び変電所の設計及び運転、屋内外における送電線路及び配電線路の設計及び運用並びに電気材料
・機械-電気機器、パワーエレクトロニクス、電動機応用、照明、電熱、電気化学、電気加工、自動制御、メカトロニクス並びに電力システムに関する情報伝送及び処理
・法規-保安に関する電気法規及び電気施設管理

 

【試験方法】

筆記もしくはオンライン(CBT方式)

 

【試験日】

通常毎年2回開催されています。

 

電験三種を取得するメリット

 

難関試験を突破するために、電気主任技術者として必要な知識をしっかりと学ぶことが出来る

電験は難関とされている資格の一つですが、その中でも第3種は10人に1人しか突破できない最難関資格であるとされています。第3種では、過去に出題された問題が再度出題されることはほぼ無く、類似問題でも出題形式が異なるなど、基礎知識が身に付いていないと合格できないように作成されています。前述した4科目のそれぞれにおいて100点満点中60点以上取ることで合格できるため、取得のためにそれぞれの科目を万遍なく学ぶ必要があります。裏を返せば、電験三種を突破することで、初学者でも電気主任技術者として働き始めるために必須の基礎知識をマスターすることができます。

 

電気主任技術者への転職の際に有利に働く

例え電験三種を取得していたとしても、実務経験を踏んでいなければ電気主任技術者への転職は難しいのではないかという不安をお持ちの方も多いかと思います。実際に、電験三種を取得することで未経験でも確実に雇ってもらえるとは言い難いものの、特に20代・30代の若手の場合、資格を取得することで未経験でも雇ってもらえる可能性が大いに高まります。電験三種の資格自体にも実務経験などの受験資格がなく、未経験で電気主任技術者へのキャリア転向を目指す方は、入門編としてまず取得すべき資格と言えます。

ちなみに、電験三種を取得した後は、

  • これまでに未経験の採用実績がある企業
  • 大手もしくは大手企業のグループ会社で、社員の教育制度が整っている企業
  • 未経験育成のマニュアルをしっかり設けている企業

を中心に求人情報をチェック、応募を始めてみることで、未経験でも転職のチャンスを得られるでしょう。

 

様々な業界で活用できる

電気整備の点検や管理はどの業界でも必須の業務です。電気主任技術者の資格を取得することで、工場を持つメーカーや通信会社、病院、ホテル、商業施設や教育施設など、希望次第で様々な業界で活躍することが出来ます。

 

電験三種の勉強に役立つおすすめ講座

最後に、電験三種を初めて受験する方におすすめの講座をご紹介します。電験三種は毎年3~4万人が受験している人気の資格であり、そのために電験三種受験者向けの講座を開設する会社も増えています。

 

 

以上の3つの講座は授業の評価が高い、運営会社の信頼性が高い、そして受講料がリーズナブルなどの理由で高い人気があります。

※詳しくは各公式ホームページをご覧ください。

 

電気主任技術者|まとめ

以上、再生可能エネルギー業界で需要の高まる電気主任技術者とその登竜門資格とも言える電験三種ついてご紹介しました。再生可能エネルギー業界は今後さらなる成長が期待されると同時に、当業界で働くことでサステナブルな未来の実現に貢献でき、大きなやりがいを感じることができます。電気主任技術者の資格を取得し、電気主任技術者への転職をお考えでしたら、以下のフォームより当社のコンサルタントまで是非お気軽にご相談いただくか、こちらのご登録ページより当社サービスへご登録ください。サステナビリティとコネクティビティの実現を掲げ、再生可能エネルギー分野に特化した転職サポートのチームを持つProgressive Recruitmentが皆様のキャリアを加速させるためのお手伝いをいたします。

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