電気工事士、電気主任技術者(電験)、電気工事施工管理技士―資格を活かした転職・キャリアアップとは?

脱炭素社会実現に向けて市場の拡大を見せる再生可能エネルギー業界。日本でも太陽光発電や風力発電、またバイオマス発電関連の事業やプロジェクト増加に伴い発電プラントの建設案件が増えており、建設現場における施工や設備の管理・運用保守に欠かせない人材である電気エンジニアやファシリティエンジニア、プラントエンジニアを中心とするエンジニアの需要が高まっています。

当記事では、これらの需要の高まるエンジニアに必要とされる資格の紹介に加え、資格を活かしたキャリアパスについて解説します。

 

発電所の建設や管理・運用保守で必要とされる主な資格

発電プラントの建設や管理・運用保守を行う電気エンジニアやファシリティエンジニア、プラントエンジニアに求められることの多い電気系の資格として、以下の3つが挙げられます。

  • 電気工事施工管理技士
  • 電気工事士
  • 電気主任技術者

 

1. 電気工事施工管理技士

電気工事施工管理技士とは?

電気工事施行管理技士とは、建設現場における電気工事の責任者として監督を行う電気技術者です。電気工事施工管理技士なしでは発電所の施工に着手できず、Engineering, Procurement and Construction (EPC)と呼ばれる発電事業の企画提案から施工に至るまでのプロセスにおいて必要不可欠な人材です。

 

電気工事施工管理技士の資格とは?

電気工事施工管理技士には1級と2級の2種類があります。2級電気工事施工管理技士の資格が「建設工事における主任技術者」として認められる一方で、1級電気工事施工管理技士の資格を取得すると、現場における「監理技術者」として認定されます。

 

電気工事施工管理技士の資格を活かしたキャリアパス

再生可能エネルギー分野においては発電所をはじめとする建設現場における施工の監督ができる人材の需要が高いため、1級電気工事施工管理技士の資格が重宝されます。再生可能エネルギー分野に特化した転職と採用のサポートを行う当社コンサルタント、廣戸大志は「2級電気工事施工管理技士を持っている方は多い印象ですが、1級工事施工管理技士を取得することで転職やキャリアの幅が大きく広がります。またマネジメントや監督ができる立場となることもあり高い年収相場も期待できます」と話します。

 

2. 電気工事士

電気工事士とは?

電気工事士の仕事は、大きく「建設電気工事」と「鉄道電気工事」の2つに分けられます。建設電気工事は、一般的な住宅から工場・ビル、発電プラントに至るまであらゆる種類の建設物における電気設備の設計や工事を含みます。

 

電気工事士の資格とは?

電気工事士には第一種電気工事士と第二種電気工事士の2種類があり、大きな違いとしては扱うことのできる電圧が異なり、結果として工事できる建物の規模が異なります。上級資格である第一種電気工事士の方が扱える電圧が高いため、大規模な建設現場での電気工事に携わることが可能です。

第一種、第二種ともに筆記試験と技能試験の2つからなり、第二種は筆記試験・技能試験ともに合格率が65%前後、第一種は筆記試験の合格率が50%前後で技能試験の合格率が65%前後と、国家資格の中では比較的難易度の低い資格です。

 

電気工事士の資格を活かしたキャリアパス

現在すでに電気工事士としての資格を持ち、ビルや工場をはじめとする大型施設で電気設計、設置、管理、保守などに携わっている場合、資格と経験を活かして今後さらなる成長が期待できる再生可能エネルギー分野へと転職することが可能です。

「再生可能エネルギー分野の現場でも、電気工事士はマストではないとはいえ、持っていれば尚良しとされることが多い資格です」と廣戸は話します。

 

3. 電気主任技術者

電気主任技術者とは?

上述の電気工事施工管理技士と電気工事士が建設や施工という設備の立ち上げ・建設の際に活躍する職種である一方、電気主任技術者は主にOperations & Maintenance (O&M)とも呼ばれる運用保守に携わる仕事です。具体的には、ビルや工場、発電所や変電所の電気設備の保安監督を行います。

 

電気主任技術者の資格とは?

電気主任技術者の資格を取得するための試験である電気主任技術者試験(電験)には第一種から第三種までの3種類があり、各資格は電験一種、電験二種、電験三種と呼ばれます。分類ごとに扱える電圧が異なります。電験の中で下位資格である電験三種でも合格率は10%前後と、難易度の高い資格です。

 

電気主任技術者の資格を活かしたキャリアパス

電験二種を持っていると、責任者として発電所や変電所における電気設備の保守・監督を行うことが可能となります。そのため、新たな発電所の建設を計画している再生可能エネルギー企業にとって欠かすことのできない人材である一方、現在電験二種以上を持つ方の多くが50代以上のベテランであり、今後人材不足が予測されます。そのため、40代以下で電験二種以上をもっている場合、転職や給与アップにおいても非常に有利になります。

 

 

成長を続ける再生可能エネルギー分野でキャリアを築くには

以上、再生可能エネルギー業界で需要の高まる資格についてご紹介しました。再生可能エネルギー業界は今後さらなる成長が期待されると同時に、当業界で働くことでサステナブルな未来の実現に貢献でき、大きなやりがいを感じることができます。電気エンジニアやファシリティエンジニア、プラントエンジニアとしてのご経験を活かしてキャリアアップをお考えでしたら、以下のフォームより当社のコンサルタントまで是非お気軽にご相談いただくか、こちらのご登録ページより当社サービスへご登録ください。サステナビリティとコネクティビティの実現を掲げ、再生可能エネルギー分野に特化した転職サポートのチームを持つProgressive Recruitmentが皆様のキャリアを加速させるためのお手伝いをいたします。 

 

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