再生可能エネルギー 転職先の業界としての現状は?【転職動向】

2021年に英グラスゴーで開催されたCOP26(国連気候変動サミット)以降、更に注目を集めている再生可能エネルギー関連産業。経済産業省の調査によると、2020年度における国内での総発電量に対する再生可能エネルギー発電量の比率は19.8%、2030年までに36~38%まで拡大させることを達成するため、今後も再生可能エネルギー導入とそれに伴う業界の成長が期待されます。
キャリアを築くうえでも有望な業界とされる再生可能エネルギー業界ですが、現在の転職市場ではどのような動向が見られるのでしょうか?今回は、再生可能エネルギー領域に特化した採用・転職のサポートを行い、当業界において深い知識を持つ当社Progressive Recruitment が予測する、2022年・2023年の再生可能エネルギー業界の転職動向についてご紹介します。

環境にかかわる仕事がしたい ‐ 就職先の選択肢は?【2022年版】
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目次
- 再生可能エネルギーの種類と日本における現状
- 2022年・2023年における再生可能エネルギー業界の転職動向は?
- 女性リーダーの登場に期待
- 英語に自信がない方でも挑戦しやすい
- 洋上風力発電分野での採用-今後に注目
- 未経験の場合、まず電気工事士としての就職という手も
- 採用ニーズの高まるシニアポジション-同じ分野での経験必須
- 再生可能エネルギー業界で需要の高いスキルとは
再生可能エネルギーの種類と日本における現状
再生可能エネルギーには大きく分けて以下の種類があります。
- 風力
- 太陽光
- 水力
- バイオマス
- 地熱
こちらの記事では、それぞれの各発電方法のメリットやデメリットに加え、日本における現状と課題について、詳しく解説しています。
2022年・2023年における再生可能エネルギー業界の転職動向は?
ここからは、2022年現在における再生可能エネルギー業界の転職動向について解説します。
女性リーダーの登場に期待
国際再生可能エネルギー機関(IRENA)が世界40か国以上における再生可能エネルギー部門の民間企業を対象に行ったアンケートによると、2016年における再生可能エネルギー業界での女性雇用状況は平均35%に上り、管理職の3人に1人は女性であるという結果となりました。職種の内訳としては、事務系が最も高く平均46%、技術職が28%、管理職が32%となっており、伝統的に男性が有利とされていた技術職に関しても女性の雇用が進んでいることがうかがえます。日本国内に関して言うとまた異なる結果になることが予想されるものの、日本を含めた主要国の再生可能エネルギー分野では、今後エグゼクティブだけでなく、新たな起業家などの女性のリーダーが生まれることが期待されています。
英語に自信がない方でも挑戦しやすい
近年、多くの業界・業種で英語を話せる人材への需要が高まっていますが、再生可能エネルギー業界に関しては、総合的に見ても英語を流暢に話すことのできる人材を優遇して採用している傾向は見られていません。特にエンジニアなどの技術職の採用に関しては、英語よりも日本語の流暢さが重視されており、日本語ネイティブの方でない場合、日本語試験の受験や資格の取得が求められます。外資系企業やシニアレベルの求人に関しては、英語力が求められる場合も少なくありませんが、他の業界と比較した場合、高レベルな英語力を必要としていない企業も多く、英語に自信がない方でも比較的転職しやすい業界であると言えます。
洋上風力発電分野での採用-今後に注目
どの分野においても伸びしろが期待される再生可能エネルギー業界ですが、風力発電分野に関しては、業界内の他の分野と比べると比較的不安定な状況にあります。その背景として、洋上風力発電整備を優先的に進める「促進区域」として国に指定された海域での発電事業者を公募する際の評価基準の見直しが現在行われていることが挙げられます。この見直しは、2021年に行われた大規模な公募の第一弾で三菱商事連合が全海域を「総取り」した結果を受けていますが、この軌道修正により採用プロセスの遅れなどの影響も見られています。
しかし、洋上風力発電分野は国内での成長が大いに期待されている分野でもあり、長期的な目で見ると採用に関しても再び活発となることが予想されるため、今後の動向に注目が集まります。
未経験の場合、まず電気工事士としての就職という手も
こちらの記事でもご紹介したように、再生可能エネルギー事業には非常に多くの企業、そして仕事や職種が携わっています。
再生可能エネルギーに携わる仕事の種類
- 事業開発・企画・統括
- FSE(フィードサービスエンジニア)
- 電気・機械系エンジニア
- プロジェクトマネージャー
- 建設マネジメント
再生可能エネルギー業界は、業界・業種どちらも未経験の場合、転職が非常に難しい業界です。業界・業種未経験で再生可能エネルギー業界に転職をご希望の場合、まず電気工事士としての就職を目指すという手があります。電気工事士になるためには電気主任技術者の資格を取得する必要がありますが、資格さえあれば再生可能エネルギー業界への転職を比較的簡単に叶えることができます。現在、再生可能エネルギー業界における電気主任技術者の求人は保守運用関連職を中心に増加傾向にあるため、比較的転職しやすい職種と言えます。
電気工事士として働いた後は、プロジェクトマネージャーなど、再生可能エネルギー業界での他のポジションに挑戦することが可能となります。なお、電気工事士としての経験があれば再生可能エネルギー関連の企業以外への転職も可能となり、電気保安協会や商業施設、ビル、工場、そして建設会社などへの転職といった道も開けます。

こちらの記事では、日本における電力業界の動向と、電力業界の主な職種、そして未経験から電力業界に就職・転職するためのヒントを解説しています。
記事を読むProgressive Recruitment でも、再生可能エネルギー業界における電気工事士などの電気機械系エンジニアの求人案件を多数取り扱っております。ご興味がございましたら、以下のページより詳細をご覧くださいませ。
採用ニーズの高まるシニアポジション-同じ分野での経験必須
近年、特に大手企業においてマネージャーや、経営に関わるシニアレベルのポジションの採用が盛んに行われています。シニアレベルへの転職では、再生可能エネルギー業界での経験はもちろんのこと、当該分野(風力発電・水力発電など)での経験も必須となります。これに加えて、前述の通り企業によってはビジネスレベルの英語力を求めることもあります。
再生可能エネルギー業界で需要の高いスキルとは
数ある再生可能エネルギー事業の中でも、現在そのプロジェクトの規模の大きさから洋上風力発電が注目を集めています。前述の通り採用に多少の遅れは見られるものの、発電事業者の評価基準が決定し、実際に工事の着工や、すでに調査が完了している海域における入札プロセスが続々と始まるにつれて、海外企業の参入も増えてくると考えられます。それに伴い、今後以下のようなスキルや経験を持つ人材への需要が高まることが予測されます。
- 事業開発(ビジネスデベロップメント)
- 利害関係者や日本政府との調整や交渉
- 資金調達(プロジェクトファイナンス)
- プロジェクトマネジメント
- 第一種電気工事士を含む電気関連資格
- コミュニケーション能力(語学力含む)
再生可能エネルギー業界での転職をお考えですか?
業界の成長に伴い採用が活発となっている再生可能エネルギー業界。求められる経験やスキルなどに関して転職のハードルが高いと思われがちな業界ですが、人材需要が高まっていることからも現在キャリアアップに挑戦しやすい業界であるとも言えます。
Progressive Recruitmentは世界各国で再生可能エネルギー業界を牽引する企業と深い関係を築いており、当領域の採用や転職において深い知見を有しています。外資系を中心に再生可能エネルギー関連企業やメーカーなど幅広いネットワークを活かし、日本でのビジネス拡大を目指す企業様と高いスキルを持った優秀な人材を繋ぐお手伝いをいたします。
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