就職先に選びたい、成長業界とは?【2022年最新版】

2020年以降、新型コロナウイルス感染症の影響により、人々の生活様式や価値観、働き方に大きな変化が見られています。そして、変わりゆく世の中で、勢いを増している業界もあれば陰りが見え始めている業界があるのも事実です。

今回は、「将来性がある企業に就職・転職したい!」とお考えの方に向け、これから成長すると予想されている業界とそれらに共通している特徴、そして新型コロナウイルス感染症の影響により衰退が懸念される業界を厳選してご紹介します。

「転職したい!」と思った時、まず初めにキャリアプランを立てること(キャリアプランニング)は理想のキャリアを掴むためのカギと言えます。以下の記事ではより洗練されたキャリアプランを作り転職準備を進めていくための4つのステップ、そしてキャリアプランシートのテンプレートをご紹介しております。

キャリアプラン作成における4ステップとは?

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成長が期待される業界の特徴とは?

AI(人工知能)が活躍しにくい業界

2015年に発表された野村総合研究所のレポートでは、2030年頃には日本の労働人口の49%がAI(人工知能)等により代替可能と推計されていました。具体的には、「スピードや正確性が求められる作業」「システム化が可能な単純作業」「膨大な情報を扱う作業」などが、AIに代替される可能性の高い仕事として挙げられており、このようなポジションを多く扱う業界では今後も影響を受け続けることが予想されています。

一方、

  • 新たなものを生み出すこと
  • あらゆる情報を加味し、柔軟かつ合理的な判断を下すこと
  • 人間同士のコミュニケーションが重視される分野に携わること

などは、全てAIの苦手としている分野であり、今後AIやロボットが普及するにつれて、価値の高まっていく仕事と言えます。既存の枠組みに従ってアクションを実行していくような業種はAIやロボットで賄える部分も大いにあると考えられますが、これまでにない商品や技術そのものを生み出していくスキルや、消費者のニーズに基づいたサービスを提供するスキルは今後も企業や業界の成長の推進力となります。また、数値で定量化できない経験や熟練の技などが必要とされる生産技術・製造技術や、自動車・機械などの設計・開発エンジニアリング技術はAIに代替が利かない業務と言えるでしょう。建設・設備・土木に関連した職種や業界もAIが取って替わることが難しく、今後も常に一定の需要が想定されます。

 

新型コロナウイルス感染症以降認知度が上がった業界

新型コロナウイルス感染症の影響により、外出を控えて自宅で過ごす人向けの「巣ごもり消費」に関連した商品やサービスのニーズ・認知度が拡大しています。物流、EC、メディア、ゲーム、そしてフードデリバリーサービスなどがこの巣ごもり消化の恩恵を強く受けていると業界と言えるでしょう。また、リモートワークやオンライン授業に関連した商品やサービスの需要も、今後より一層増加していくことが予想されます。

これに伴い、テレビ・冷蔵庫・スマートフォンなどの製品の電気・電子回路を設計・開発する電気・電子・機械エンジニアなどの需要も拡大することが見込まれています。

 

高齢者向けの業界

高齢化が進む日本ならではのトレンドとして、今後はシニア・高齢者をターゲットとした商品やサービスを提供する業界が拡大していくことが期待できます。高齢者向けの業界は医療・介護だけでなく生活産業(交通・通信・食料・家具・被服・教育・娯楽)なども含まれ、これらの高齢者向けマーケットの市場規模は2025年には100兆円規模になると予想されています(参考: みずほコーポレート銀行産業調査部)。

 

これから成長が期待される業界一覧【2022年版】

ここからは、2021年のトレンドをもとに、今後成長することが見込まれている具体的な業界をご紹介します。

 

成長業界① 電子部品・半導体業界

新型コロナウイルス感染症の影響により、世界的に在宅勤務へと移行する企業が増えたこと、そして個人の自宅で過ごす時間が増えたことから、現在の世界の電子情報産業において日本の企業が生産金額に占める割合は電子部品が4割、AV機器が3割、半導体とディスプレイが共に1割ととても大きく、また日本の電子機器メーカーの株価はこれまでにない高水準を維持しています。

また、半導体を製造するための製造装置・材料の市場の需要予測も上方修正が続いています。昨年、世界半導体製造装置・材料メーカーの業界団体であるSEMIや、日本半導体製造装置業界SEAJは、2021年度の半導体製造装置販売高を上方修正しており、SEAJの牛田一雄会長(ニコン取締役会議長)は、「新型コロナウイルス感染症の拡大による社会変革」「ニューノーマルの動きの加速」「パソコンやデータセンター向けの半導体製造を中心に、予想以上に設備投資が進んだこと」をこれらの上方修正の理由として挙げています。

今後デジタルトランスフォーメーション(DX)により多くの産業領域で効率化が進むことが予想されますが、これに伴いデータセンター向けをはじめ多くの半導体が必要となるため、今後電子部品・半導体業界の更なる成長が期待されています。

 

成長業界② 環境産業

「脱炭素」の動きが世界中で拡大する中、環境産業がさらに注目していくことは確実でしょう。環境産業は主に「環境汚染防止分野」「地球温暖化対策分野」「廃棄物処理・資源有効活用分野」「自然環境保全分野」の4つに分類することができ、環境省による調査によると、2018年、全分野における雇用規模の合計は、統計調査以来過去最高となる約260.9万人に達しました。

特に「地球温暖化対策分野」は環境産業の4つの大分類の中でも最も市場規模が拡大することが予想され、2018年時点で2000年に比べて9倍以上となっています。今後も2050年にかけて市場規模は約1.7倍に成長すると推計されており、その他の環境産業も概ね規模が拡大することが期待できます。

 

参考記事

グリーンキャリアとは?

再生可能エネルギー業界で働くには?企業や仕事の種類一覧

 

 

成長業界③ IT業界

2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大により、IT業界を取り巻く環境は大きく変化しました。コロナ渦における新たなビジネス様式は、既存のビジネス環境の変化やIT化を加速する大きな要因となり、今まではアナログが主要であった場面にもITが進出を果たしています。経済産業省の「特定サービス産業動態統計調査」によると、2020年の情報サービス業の売上高は前年比7.0%増の12兆9,102億円で、この上昇トレンドは今後十年後も続くことが予想されています。

また、IT業界だけでなく、以下のようなIT技術を持つ人材は、今後様々な業界において活躍の場が増える可能性が非常に高いでしょう。

 

  • AI(人工知能)
  • 自動運転技術
  • IoT
  • ビッグデータ
  • ブロックチェーン
  • AR/VR
  • 5G

 

近年は多くの業界で人手不足とそれに伴う収益性の低下が問題となっており、既存業務のIT化による効率化への動きがより一層加速しています。一方、ITに関わる人材を生み出すことは容易ではないため、IT業界はもちろん、機械・エレクトロニクス業界などを中心とした様々な業界において常に人材が不足しており、将来性が期待できる分野と言えます。

 

成長業界④ 建設業界

建設業界というと、2020年の新型コロナウイルス感染症の拡大により打撃を受けた業界の一つとして真っ先に挙げられるかもしれませんが、コロナ渦が収束し人流が回復するにつれ、建設資産額は再び上昇に転じる可能性が高くなることが予想されています。東京オリンピックは閉幕したものの、以下のような大きなプロジェクトが間髪なく進行していることも大きな要因となっています。

 

  • 2025年大阪国際博覧会の開催
  • 大阪府や和歌山市におけるIR(統合型リゾート)の開幕
  • 首都高速道路の日本橋周辺における地下化工事
  • 千代田区常磐橋における超高速ビル建築
  • 国内各地での大地震や大型台風による被害の復興事業
  • 北陸と大阪を結ぶ新幹線や東京・名古屋・大阪を結ぶリニア中央新幹線開通事業
  • 東京メトロ銀座線全駅リニューアル計画
  • 国内各地のインフラ整備(都市部の老巧化した下水道整備、地下鉄有楽町線・南北線の延伸事業など)

 

今後の景気を左右するとも言われている建築業界ですが、人材不足や労働条件もなどの課題にも悩まされてきました。このような環境を改善すべく、近年ではテレワークやICT化への期待も寄せられており、国土交通省などはi-construction(ICT土工等の施策を建設現場に導入することによって、建設生産システム全体の生産性向上を図り、魅力的な建設現場を目指す取組み)の実施・加速化を目指しています。建設業界の3Kのイメージ「きつい・汚い・危険」といったイメージも徐々に拭われつつあり、建設業界は今後もより良い方向に向かっていくと予想されます。

 

衰退が懸念される・新型コロナウイルスの影響を受けやすい業界とは?

2020年以降、新型コロナウイルス感染症の影響により外出がする機会が減ったこと、またソーシャルディスタンスが求めるようになったことで、人々の生活様式は大きく変わりました。飲食業界や観光業界、イベント業界やアミューズメント業界など、多くの人が集まることや移動することに関わる業界は厳しい状況が続くと予想されています。

また、前述のとおり「スピードや正確性が求められる作業」「システム化が可能な単純作業」「膨大な情報を扱う作業」などはAIに代替される可能性があり、具体的には金融業界や士業業界などは、AIに代替できないような付加価値の高い仕事を創出できない限り衰退は避けられないと考えられています。

 

業界選びで後悔しないために

成長が見込まれている業界に転職することで、「年収アップ」や「仕事の獲得しやすさ」「入社後のキャリアアップの機会の豊富さ」といったメリットが期待できます。一方、成長している業界の企業であるからと言って、職場の環境、社風、労働条件が自分に合ったものであるという保証があるわけではありません。

Progressive Recruitmentは、皆様のご要望に合わせて転職先のご紹介やキャリアパスについてのアドバイスなど、皆様の転職活動のサポートをいたします。今回記事内でも紹介された部品・半導体業界や環境業界などの成長が期待される業界での転職をお考えでしたら、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせくださいませ。

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