再生可能エネルギー業界で働くには?企業や仕事の種類一覧

脱炭素(カーボンニュートラル)社会に向けて、注目が集まると同時に成長を続ける再生可能エネルギー関連産業。今後大きな伸びしろがあり、未来志向の強い業界として、キャリアを築く上でも有望な業界です。
この記事では再生可能エネルギー領域に従事する企業の種類や、実際にどのような仕事および職種があるのか、また今後需要が増えることが予測される職種について解説いたします。エネルギー業界でのキャリアや転職にご興味をお持ちの方はぜひご覧ください。
再生可能エネルギーとは?
再生可能エネルギー(Renewable Energy)とは、石炭や石油などの供給に限りのある化石燃料を用いずに、自然界に常に存在する力を利用して生まれるエネルギーを意味します。エネルギー源が枯渇しないため半永久的に利用可能なことに加え、CO2を排出しないことが特徴です。
再生可能エネルギーの種類
再生可能エネルギーには大きく分けて以下の種類があります。
- 風力
- 太陽光
- 水力
- バイオマス
- 地熱
各発電方法について詳しくはこちらの記事で解説しています。
再生可能エネルギーに携わる企業の種類
発電所の種類にもよりますが、発電所の設置可能な地域(もしくは海域)の調査から開発、実際に発電装置を稼働させるまでには非常に多くの企業が携わっていることに加え、政府および自治体、各地域の利権者など非常に多くの利害関係者を巻き込むプロジェクトとなります。
以下では企業の種類ごとに、再生可能エネルギーに関連する事業に携わる主な企業をご紹介します。
電力会社
発電を主な事業とする電力会社は、当然ながら再生可能エネルギー領域においても中心となる存在です。電気事業者として、従来型の火力発電や原子力発電などで培った技術や経験を活かすことができる点が大きな強みです。北海道電力、東北電力、東京電力、中部電力、北陸電力、関西電力、中国電力、四国電力、九州電力、沖縄電力、各社それぞれが2030年までの再生可能エネルギー導入目標を立てており、風力、太陽光、水力、バイオマス、地熱すべての分野において再生可能エネルギーの主力電源化に向けて取り組みを進めています。秋田県沖で進む2つの洋上風力発電所の建設においては複数の電力会社が事業参画をしており、一大プロジェクトとなっています。
エネルギー企業
従来のエネルギー源である石油や天然ガスを主に扱う企業も、従来のノウハウを活かして再生可能エネルギー事業に取り組んでいます。国内ではINPEXやENEOSホールディングスやコスモエネルギーホールディングス、出光興産など、数多くの石油関連企業が太陽光発電や風力発電事業へ参画しています。
再生可能エネルギー企業
ひとえに再生可能エネルギー企業といっても事業内容は様々に異なりますが、多くの企業が再生可能エネルギーの発電所設置のための調査や開発、運用から売電(電力会社を通じて家庭に電力を提供する)を主たる授業としています。国内の代表的な企業としてはパシフィコエナジーやレノバ、ジースリーホールディングス、Japan Renewable Energy、シーテック、Abalanceグループに加え、風力をメインとする日本風力開発やバイオマスを中心に展開するエフオンなどがあります。シンガポールのヴィーナ・エナジーやデンマークに本社を置くオーステッドなど世界的に展開する企業も数多くあります。
総合商社
海外における石油や天然ガス資源の開発から、日本のメーカーが作るタービンや発電機の輸出、そして現地での発電所の建設など、日本のみならず世界各地で発電事業と深いかかわりを持つ総合商社は、再生可能エネルギー領域においても非常に有力なプレーヤーです。
現在では独立系発電事業者と呼ばれる、総合商社を筆頭株主とした発電事業会社も増えています。2021年に着工した秋田港沖の洋上風力発電所は、丸紅株式会社を筆頭とする秋田洋上風力発電株式会社(AOW)主導であり、他にも日本各地で進められている洋上風力発電所や太陽光発電所の多くに三菱商事や三井物産、住友商事や伊藤忠商事などの総合商社が参画をしています。
総合建設業者
ゼネコンと呼ばれることも多い総合建設業者も発電所の開発や建設に欠かせない企業です。大林組や鹿島建設、戸田建設、五洋建設などを中心に、多くの企業が発電所の建設へ参加しています。
発電モジュール及び部品メーカー
ソーラーパネルや風車のタービンをはじめ、発電設備や発電機の建設に必要な部品を作る企業も数多く、新規参入が相次いでいる分野です。洋上風力発電では1基あたり1万点以上の部品が必要だと言われており、低コスト化や発電効率向上のために多くの企業が技術開発を進めています。
太陽光発電では世界的に有名なカナディアン・ソーラーやJinko Solar、First Solar、SunPower Corpなど、風力発電ではタービンの設計や製造を行うVestas、General Electric (GE)、Siemens Gamesa Renewable Energy、Enerconなどが挙げられます。
国内ではソーラーフロンティア(昭和シェルの100%子会社)やパナソニック、東芝、京セラ、シャープ、長州産業など、様々なメーカーが太陽光パネルの製造を行っています。
これら以外にも、洋上風力発電所の開発では三井海洋開発(MODC)などの海洋開発系の企業や、日立造船などの造船企業や日本郵船などの海運企業、電気輸送のためのケーブルを製造する企業や部品を輸送する企業など、数えきれないほどの数の企業が携わっています。
再生可能エネルギーに携わる仕事の種類
上述のように非常に裾野の広い再生可能エネルギー事業ですが、発電所の開発や運営において中心となって携わる仕事や職種としては以下が挙げられます。
- 事業開発・企画・統括
- FSE(フィールドサービスエンジニア)
- 電気・機械系エンジニア
- プロジェクトマネージャー
- 建設マネジメント
再生可能エネルギー業界で需要の高いスキル
数ある再生可能エネルギー事業の中でも、現在そのプロジェクトの規模の大きさから洋上風力発電が注目を集めています。実際に工事の着工や、すでに調査が完了している海域における入札プロセスが続々と始まるにつれて、海外企業の参入も増えてくると考えられます。それに伴い、今後以下のようなスキルや経験を持つ人材への需要が高まることが予測されます。
- 事業開発(ビジネスデベロップメント)
- 利害関係者や日本政府との調整や交渉
- 資金調達(プロジェクトファイナンス)
- プロジェクトマネジメント
- 第一種電気工事士を含む電気関連資格
- コミュニケーション能力(語学力含む)
再生可能エネルギー業界でのキャリアは良い選択肢なのか?
太陽光など参画業者が多く市場の飽和が見られる分野もありますが、政府および国際情勢の後押しもあり大きな伸びしろが期待できる業界です。給与水準が高いことに加えて、最先端のプロジェクトや様々な経歴や背景を持つ人々と一緒に多国籍プロジェクトに携わることができるのも大きな魅力の一つです。また、比較的新しい市場であるため、業界での経験が必須でない場合もあります。今後成長や需要の高まりが期待される領域において早い段階から経験やスキルを積むことのできる絶好の機会ともなるでしょう。
国際的にSDGs (持続可能な開発目標)への取り組みが大きな潮流となっており、業界問わず多くの企業がビジネスのサステナビリティを模索する中で、再生可能エネルギー業界はまさに今後多くの企業のロールモデルとしてこの動きを牽引していく立場にあります。世界に影響を与えることができ、大きなやりがいを感じられる業界です。
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